本の基本情報
本の基本情報について紹介する。
- 著者名:キャロライン・アダムス・ミラー
- 書籍名:実践版GRIT やり抜く力を手に入れる
- 出版社:すばる舎
- 発売日:2018/2/21
- 頁 数:378ページ
どんな本?
アンジェラ・ダックワースが提唱するGRIT
グリットとは、「高い目標に対する情熱的な追求であり、周囲の人の畏敬の念を引き起こし、より良い人間へと成長し、精神的な持続的幸福を獲得し、ポジティブなリスクを冒し、最高の人生を送りたいというモチベーションを引き出すもの」のことであり、
「人生の成功」に必要なものは「才能」ではなくその人が持つ「情熱」と「粘り強さ」からなる「やり抜く力」だ!
と言っている。
情熱や粘り強さがないと感じている人には良い本である。
本の目次
以下は本書の目次です。
- Introduction 幸せになるための科学と実践
- Chapter1 「グリット」とは何か?
- Chapter2 こうして低いグリットの低い世界が作られた
- Chapter3 グリットを高めるための下準備
- Chapter4 「本物のグリット」とは何か?
- Chapter5 良いグリット
- Chapter6 悪いグリット
- Chapter7 グリットの正しい育て方
- Chapter8 情熱
- Chapter9 幸福感
- Chapter10 目標設定
- Chapter11 自制心
- Chapter12 リスク・テイキング
- Chapter13 謙虚さ
- Chapter14 粘り強さ
- Chapter15 忍耐
- Chapter16 グリットの未来
本を手に取ったきっかけ
自分の仕事はエンジニアだ。
現在は休みの日とかでも学習を続けられてはいるものの、「いつか飽きて辞めてしまうのかなー」という思いと「このまま続けて優秀なエンジニアになりたい」という思いがごちゃまぜになっている。
今の仕事に高いモチベーションはあるものの、続けられるのか不安があり、この本を読み始めた。
考えたこと
良いグリットや悪いグリットの例、なぜグリットの低い世界が作られたのか。を通してグリットがどういったものか理解した。
結論を言えば、やり抜く力を手に入れるためには高い目標を持つことが大切なんだと解釈した。
報酬を得るのに一生懸命頑張る必要がなく、親がこの世からすべての苦難を取り払ってくれて、卓越性の基準が凡庸なレベルにまで下がり、実社会ではランチの仕出しや通勤手当など様々な特典がついてくるという環境で、どうしたらもっと上を目指そうと思えるだろうか?
現在の世界で目標を見つけることも難しい。とも感じた
目標を見つける
グリットは 高い目標に対する情熱的な追求
この高い目標がないことがモチベーションに起因していることを再認識した。
目標研究では、目標が少なくとも次の4つの機能を果たすことが明らかになっている。
- 目標には、私たちの注意力(認知面・行動面の両方)を、フォーカスすべき重要な事柄に向ける働きがある。目標が定まっていないと、目的を整理することができず、いつでもどこでも様々なことに気を取られ、意味のある活動をするチャンスを棒に振るリスクが高くなる。「フィードバックのない目標と、目標のないフィードバックは、どちらも無意味だ」という言葉の通りだ。目標を持たないというのは、人生の最期に─あるいは日々の日常においても─自分の成長具合や、今持っている能力や、努力の程度を知るための評価システムを持たないのと同じだ。
- 目標はエネルギー源となり、高い目標ほど大きなエネルギーが引き出される。そしてそのエネルギーは、高い目標を定めて追求するときに、より高い幸福をもたらすことになる。なぜなら、人は簡単に手に入るものよりも、一生懸命努力しなければ手に入らないものに高い価値を見出し、そういうものに愛着を持つからだ。
- 目標は粘り強さを引き出し、特に高い目標ほど、努力を長引かせることができる。そのため当然のことながら、高い目標を達成したときのほうが大きな成果となる。それは他人に割り当てられた目標でも、自分で決めた目標でも、誰かと一緒に決めた目標でも同じだ。
- 目標はその人特有のスキルやリソースの発見につながると同時に、自分の抱える課題につながる新たな戦略を見出し、知っておくべき知識を見極めることにもつながる。目標を追求するのに何かスキルが必要な場合、私たちはまず、自分が今備えている能力で足りるかどうかを分析する。例えば、難易度の高いハイキングをしたい人はコンパスを使うことができなければならないし、理想の経済プランを立てるためにはエクセルを使った表計算ができなければならない。スキューバ・ダイビングの資格を取るなら泳ぎのスキルを高める必要がある。もし既に別のところでそのスキルを使って目標を達成していれば、それは自信になるし、たとえそのチャレンジがまったく未経験のものだったとしても、目標があることで、何を身につけたらよいのかピンポイントで知ることができる
しかし、以下のことも書いてある。
何か突出した偉業を成し遂げた人々は、ただ何かの賞や名声を手に入れることだけを目指してやっているのではなく、それをやり遂げることを通して、自分という人間がどんな人間であるかを決め、人生に意味を見出そうとしている
よく分からなくなってきたが、自分は「最強になる」を目指してやっていこうと思う。
ストイックに生活しないともったいないという感覚│意識高い系中島diary
GRIT 演習
実践版ということなのか、ワークとして筆者からの問いかけに答えていくといった演習も多かった。
特に印象に残った問いが「あなたは何のために毎朝起きるのだろうか?(あなたの生きがいは?)」だ。
毎朝何のために起きる!?!?? そんなこと考えたことなかったので、かなり悩む。(今も答えは出ていない)
他にも、VIA診断と呼ばれるもので特徴的な強みを特定しよう、といったものもあった。
自分の5つの「特徴的な強み」を特定して活用する人たちは、目標を追求する上でより幸福度が高く、より良い成果を出しているというものだ。 自分は「誠実さ・親切心・自制心・チームワーク・公平さ」の5つだった。
自分で言うのも恥ずかしいが、この5つは自分に当てはまっていると思う。 改めて自分で認識しておくことで、強みを発揮できる場面は増えていくといった内容だ。(認知行動とかに近い?)
これ以外にも色んな演習があった、全部は自分もできていないので時間を作ってやっていきたい。
最後に
- 週160km走ったマラソン選手は後遺症が残ったので「悪いグリット」。
- 女子体操チームの選手が靭帯を2本切断した状態で飛び、金メダルを取ったから「良いグリット」。
筆者によるとマッスル北村は悪いグリットなのだろう。
尊敬する人物を聞かれたら、僕はマッスル北村だと答える。│意識高い系中島diary
高い目標を達成すれば、良いグリット?といったように、上記には違和感があったが、全体を通して見るとモチベーションが上がる場面が何回もあり、いい本だった。
ぜひ読んでみてください。