本の基本情報
本の基本情報について紹介する。
- 著者名:ユヴァル・ノア・ハラリ
- 翻訳者: 柴田裕之
- 書籍名:サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福
- 出版社:河出書房新社
- 発売日:2016/9/16
- 頁 数:585ページ
本の目次
以下は本書の目次です。
- 第1部 認知革命
- 第1章 唯一生き延びた人類種
- 第2章 虚構が協力を可能にした
- 第3章 狩猟採取民の豊かな暮らし
- 第4章 史上最も危険な種
- 第2部 農業革命
- 第5章 農耕がもたらした繁栄と悲劇
- 第6章 神話による社会の拡大
- 第7章 書記体系の発明
- 第8章 想像上のヒエラルキーと差別
- 第3部 人類の統一
- 第9章 統一へと向かう世界
- 第10章 最強の征服者、貨幣
- 第11章 グローバル化を進める帝国のビジョン
- 第12章 宗教という超人間的秩序
- 第13章 歴史の必然と謎めいた選択
- 第4部 科学革命
- あとがき -- 神になった動物
概要
第1部 認知革命
サピエンスは、虚構によって見知らぬ人同士が協力し、他の人類種を圧倒し滅ぼしたのではないかという話。
サピエンスのすごいところは、虚構は変えることで行動パターンも変化することができた。信じていたものをすぐに切り替えることができたことだ。
自分たちは虚構を意識せずに使っているが、他の動物は「敵が来た」などのコミュニケーションは取れるものの、虚構というものは存在しない。 この後の章でも出てくるが、現在でも虚構を信じることで人々が協力できているというのは、自分は考えてもいなかったので、ハッとさせられた。
第2部 農業革命
農業革命によって人類は爆発的に増えた。 しかし、狩猟採集社会の時と比べて、労働の長期化や栄養失調、感染症などの苦しみも与えた。
人類が爆発的に増えたことで、集団維持のため虚構による「想像上の秩序」と「書記体系」が発明された。
自分は、農業革命の食料が増えたという良い面しか知らなかったので、かなり悪い面も数多くあることは興味深かった。
社会で教わる良い物事も、別の視点から見れば悪いということを改めて感じさせられた。
第3部 人類の統一
貨幣も虚構であると言う話から、貨幣によって見知らぬ者、集団同士の協力すること、忌み嫌っている相手ですら貨幣を信じて取引ができることが書いてある。 敵対国で貨幣の種類が異なっていても、取引が成立することは改めて凄いと感じた。
信者からも怒られそうだが、宗教も虚構であると言い切っていた。宗教がここまで広がったのは、暴力や教育によって信者を増やしていき、それによって信者が増えて、さらに虚構が社会に根付くという循環が起きていることが知れた。
この章とは関係ないが、暴力の話は農業革命や他の章にも度々出てきており、今がいかに平和か感じさせられた。
第4部 科学革命
科学革命によって、人間が無知であることを知る話から始まり、かなり面白かった。以前までは、宗教の神が全てを知っており、それに従って生きれば良いという思想だったが、科学の進歩により人間には知らないことが沢山あることがわかった。
科学に投資した国は力を得て、知らないことを知りたいという探究欲求によって進歩の思想を得た。 科学に投資しなかった国との対比などもあって、投資の力を感じた。 投資は科学に投資すれば、必ず良くなるという信頼があって行われた。これにより金融機関制度も発達した。
科学者と征服者の相互関係により帝国主義が推進されていく。 この頃、秩序(虚構)= 社会構造 は絶え間なく変化していった。
最後には、世界は過去に比べて、戦争もなくなり、医療技術も発展して平和になったことが述べらている。 そして、この科学革命は人間を幸せにしたのか?という問いかけがある。
狩猟採取生活よりも幸せか、ということは容易には言えないと結論づけている。
今後、人類は「生命工学(遺伝子操作など)」「サイボーグ工学(人間の器官とモノをつなぐ)」「非有機的生命工学(遺伝子プログラミングによる生命法則の書き換えなど)」により、 ホモ・サピエンスを超える人類が誕生する未来において、政治的、倫理的問題に取り組む必要があると述べている。
最後に
人類がどういう歴史を辿ってきたかには興味もなかったし知らなかったが、今回読んでみて歴史への興味や他の教養本も読んでみたいと感じた。 歴史の遍歴を知ることで、失敗を繰り返さない。教養は定期的に学んでいきたい。 サピエンス全史は、ページ数が多く長いですが、本当にオススメできる本です。
自分はAudibleで聞いたのですが、本来ならかなり分厚いので挫折していたかも知れないですが、耳で聴くので空いた時間を使えて効率が良く読み切ることができた。 何回も聞くのも気軽にできるので、こちらもオススメです。