本の基本情報
本の基本情報について紹介する。
- 著者名:グレッグ・マキューン
- 書籍名:エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする
- 出版社:かんき出版
- 発売日:2014/11/19
- 頁 数:320ページ
本の目次
以下は本書の目次です。
- PART1 エッセンシャル思考とは何か
- 第1章 エッセンシャル思考と非エッセンシャル思考
- 第2章 選択 ---選ぶ力を取り戻す
- 第3章 ノイズ ---大多数のものは無価値である
- 第4章 トレードオフ ---何かを選ぶことは、何かを捨てること
- PART2 見極める技術
- 第5章 孤独 ---考えるためのスペースをつくる
- 第6章 洞察 ---情報の本質をつかみとる
- 第7章 遊び ---内なる子供の声を聴く
- 第8章 睡眠 ---1時間の眠りが数時間分の成果を生む
- 第9章 選抜 ---もっとも厳しい基準で決める
- PART3 捨てる技術
- 第10章 目標 ---最終形を明確にする
- 第11章 拒否 ---断固として上手に断る
- 第12章 キャンセル ---過去の損失を切り捨てる
- 第13章 編集 ---余剰を削り、本質を取り出す
- 第14章 線引き ---境界を決めると自由になれる
- PART4 しくみ化の技術
- 第15章 バッファ ---最悪の事態を想定する
- 第16章 削減 ---仕事を減らし、成果を増やす
- 第17章 前進 ---小さな一歩を積み重ねる
- 第18章 習慣 ---本質的な行動を無意識化する
- 第19章 集中 ---「今、何が重要か」を考える
- 第20章 未来 ---エッシェンシャル思考を生きる
- 最終章 エッセンシャル思考のリーダーシップ
概要
気になったところだけ抜き出していく。
第1章 エッセンシャル思考と非エッセンシャル思考
エッセンシャル思考とは、「より少なく、しかしより良く」を追求する生き方だ。 「今、自分は正しいことに力を注いでいるか?」と絶えず問い続けるのが エッセンシャル思考の生き方である エッセンシャル思考は、より多くのことをやりとげる技術ではない。 正しいことをやりとげる技術だ。もちろん少なけば良いと言うものでもない。 自分の時間とエネルギーをもっとも効果的に配分し、重要な仕事で最大の成果を上げるのが、 エッセンシャル思考の狙いである。
あるとき私のところへやってきたのは、一見とてもエネルギッシュな会社役員だった。 若い頃にコンピュータの魅力にはまり、熱心にスキルを磨きつづけてきた。 深い知識と情熱が評価され、どんどん大きな仕事を任されるようになった。 それでも成功にあぐらをかかず、さらに上をめざすために勉強をつづけてきた。 私と出会った頃には、彼の努力は少々度を越していた。 あらゆることを学び、何でも自分でやろうとしていたのだ。 毎日新たなことに興味を持ち、数時間後にはもう別のことを学んでいる。 あまりに興味の対象が多すぎて、大事なものとそうでないものの区別がまったくつかなくなっていた。 「すべてが大事」だと思い込んでいたのだ。その結果、彼のやることはどんどん散漫になっていった。 無数の方向に1ミリずつ進んでいたわけだ。ものすごく努力しているのに、どこにも成果が見えてこない。
優秀な人ほど、どんどん多様な仕事を振られるようになる。そのため、時間とエネルギーがどんどん拡散されていく。 こうして、本当にやるべきことができなくなる。
自分で優先順位を決めなければ、他人の言いなりになってしまう
自分は優秀ではないけど、興味の対象が多すぎて全部やってしまっている。 全てを経験できたので全体像は理解することができたけれど、現在全てが中途半端になってしまっている。
しかし、進むべき方向性みたいなのが決まったので本当にやるべきことだけに注力しないと何にも出来ない人になりかねない。
第2章 選択 ---選ぶ力を取り戻す
選ぶという行動を自分のものにしないかぎり、エッセンシャル思考は身につかない。 エッセンシャル思考を身につけるためには、選ぶという行為に自覚的でなくてはならない。 選ぶ力は自分だけのものであり、何者にも奪えないということを理解しなくてはならない。
自分は「電子工学部」だから活かせるとこに行こうと思考停止で就職活動をしていた。しかし、途中で電子工学を楽しんでやっていないことに気づいて情報系に進むことに決めた。 情報系にいけたのも運によるところが大きいが、現在は楽しく満足している。
他人の選択・自分の過去の選択を黙々と実行するのではない。選ぶ力の価値を理解し大切に実行する必要がある。
自分もできていないが、就活とか配属面談とか考えていない人が多すぎると思っている。 もっと自分たちで選択できるのだから、自分の本当にやりたいことに向き合うことが大事なんだと思う。
第3章 ノイズ ---大多数のものは無価値である
努力は大切だ。だが、努力の量が成果に比例するとはかぎらない。 がむしゃらにがんばるよりも、「より少なく、しかしより良く」努力したほうがいい。 「より少なく、しかしより良く」という考え方に慣れるのは、思ったほど簡単なことではない。 たいていの人は「もっと努力しろ、もっともっと」と長年言われつづけてきたはずだ。 だが努力の量を増やしても、いつか限界がやってくる。 それ以上努力しても成果が増えないどころか、逆に成果が減ってしまう。 「努力した分だけ報われる」というのは、ただの幻想だ。残念ながら、世の中はそこまで単純ではない。
パレートの法則のように成果の80%は20%の物事によって決まるといった話がある。 がむしゃらに頑張るのではなく、たっぷり時間をかけて選択肢を検討し、やるべきことを正確に見極める。
大多数のものごとには価値がなくて、ごく少数のものごとに莫大な価値がある
第4章 トレードオフ ---何かを選ぶことは、何かを捨てること
レードオフを考えたくない気持ちはよくわかる。 そもそもトレードオフが起こるのは、どちらも捨てがたいような状況だ。 高い給料か、長い休暇か。 急ぎのメールに返信するか、大事な会議に出席するか。 より速くか、それともより良くか。 どちらも望むことなのだから、どちらにも「イエス」と言いたくなる。しかし、それは不可能だ。 非エッセンシャル思考の人は、トレードオフが必要な状況で「どうすれば両方できるか?」と考える。 だがエッセンシャル思考の人は、「どの問題を引き受けるか?」と考える。 これはタフな問いであると同時に、より大きな自由につながる問いだ。 エッセンシャル思考の人は、自らトレードオフを選びとる。 誰かに決められる前に、自分で決める。
「どうすれば両方できるか?」これはよく考えてしまい、3章の自分なら残業して集中すればできると思ってしまう。 しかし、毎回上手くいかない。
「何に全力を注ごうか?」をしっかり考え、他のことは断ることも大切。肝に銘じたい。
第5章 孤独 ---考えるためのスペースをつくる
仕事が忙しくなればなるほど、考える時間を確保することがより必要になる。 生活がノイズに満ちてくればくるほど、静かに集中できるスペースがより必要になってくる。
今はそこまで忙しくないが、今後残業時間が伸びていくと仕事だけで疲弊してしまう。
考える時間を持つことで、新しい発見や選択、本質の部分に集中して取り掛かることができるだろう。 忙しくない今こそ考える時間を作っていく。23時から0時を考える時間にする。(いつも1日のまとめをやっている)
第6章 洞察 ---情報の本質をつかみとる
あらゆる事実には、本質が隠されている。 すぐれたジャーナリストは、情報の断片を調べ、それらの関係性を発見する。 部分の集まりから全体像をつくりあげ、人びとに通じる意味を付与する仕事だ。 単に情報を受け渡すだけなら、誰にでもできる。 ジャーナリストの存在意義は、そこに本質的な意味を見いだすところにあるのだ。 話を聞いていて、ポイントを見失うことはないだろうか。 * 情報量に圧倒され、何をどうすればいいかわからなくなることは? * 依頼が次々と積み上がり、何からやろうかと途方に暮れることは? * 重要なことをやり忘れていて、あとになって青くなったことはないだろうか? ひとつでも思い当たることがあるなら、エッセンシャル思考のスキルが役に立つはずだ。 * ジャーナリストの目を手に入れる * 1. 日記をつける * 日々の小さな変化は見逃しやすいが、まとめて見ると大きな違いに気づく * 2. 現場を知る * 問題の本質は現場でないと分からないことが多い * 3. 普遍を知り、逸脱を探す * まずは知識をつけて、ストーリーを深く知る必要がある * 4. 問題を明確にする * 「そもそも今、何の問題を考えているのか?」を明確にする
この章の例は面白かったし、大事な部分。 要点に目を向ける訓練をすると、点の集まりではなく、点同士を繋ぐ線が見えてくる。 単なる事実だけに反応するのではなく、その本当の意味を見抜く。
これが全然できていない。自分は答えを探してしまうので、自分で仮説とかを作ることができていない。 「事実から仮説を作る、本質を見抜く」これが出来ないと結局いくら本を読んでも意味はない。
本質を見抜くことは、難しいが必ず身につけなければならない。
第7章 遊び ---内なる子供の声を聴く
6000人を対象に遊びと成長の調査をおこない、遊びが人間のさまざまな面に良い影響を及ぼすという結論を得た。 遊ぶと体が健康になり、人間関係が改善され、頭が良くなり、イノベーションが起こしやすくなる。 「遊びは脳の柔軟性と順応性を高め、創造的にしてくれます」と彼は言う。「遊びほど脳を奮い立たせる行動はほかにありません」 最高の思い出や「生きている」という実感をもたらしてくれるのは、遊んでいる時間だ。 遊びは発想を豊かにしてくれる。新たなアイデアが生まれ、古いアイデアが新たな命を得る。 好奇心が刺激され、未知のものを知りたいと言う意欲が湧いてくる。
遊びはストレスも下げてくれる。
仕事にも遊びを取り入れる。職場のデスクに「楽勝だぜ!」としゃべるおもちゃを置いている社員の話は良いなと思った。 デスクにフィギュアを並べるのは良いかもしれない。小さな遊び心を取り入れていきたい。
第8章 睡眠 ---1時間の眠りが数時間分の成果を生む
これは他の本でも言われることなので抜粋はなし。
計画的に睡眠をとることで、仕事の質を最大限に高めている。 昼寝をするのも良い。
最悪なのは、睡眠不足により見極める力が落ちて、優先順位をつけられなくなることだ。
第9章 選抜 ---もっとも厳しい基準で決める
明確で厳しい基準があれば、誰でも不要な選択肢をシステマティックに却下し、 重要な選択肢を選びとることが可能になる。 絶対にイエスと言い切れないなら、それはすなわちノーである。
なかなか自分には出来ないことだ。流されてしまうことが多いので、明確な基準を持ってしっかり断ることも大事。
第10章 目標 ---最終形を明確にする
あなたの目的や戦略は明確か、と経営者にたずねると、「かなり明確です」という答えがよく返ってくる。 かなり明確なら、それで十分だと思っているようだ。 だが「完全に明確」な状態を知ると、それまでの「かなり」が不便だったことに気づく。 まるで視力の悪い人が、初めて眼鏡をかけたときのようなものだ。 会社の経営だけでなく、個人のキャリアについても同じことが言える。 「これからの5年間で、どんな仕事を成しとげたいですか?」という問いに、とことん明確に答えられる人はあまりに少ない。 私が完全な明確さにこだわるのは、それが仕事の結果に直結するからだ。
具体的で、かつ魅力的。大きな意味があり、しかも測定可能。これが本質目標だ。 すぐれた本質目標があれば、周囲の協力も得やすくなる。 普段からは考えられないレベルの力を発揮し、迷いなく目標に向かって進みつづけることができる。 会社やチームや個人に必要なのは、具体的で魅力的、意味があって覚えやすい本質目標だ。
目標は具体的でわかりやすい言い方を選んだほうがいい。 どれくらい具体的かというと、次の質問に答えられるくらいだ。 「達成をどうやって判定するのか?」 俳優で社会起業家のブラッド・ピットはハリケーン・カトリーナに襲われたニューオリンズの復興の遅さに苛立ち、 自らメイク・イット・ライト財団を設立した。その目標はこうだ。 「ニューオリンズの下9地区に住む世帯のために、低価格で環境にやさしく、災害に強い家を150戸建設する」 このステートメントは、教室の空気を一変させた。 具体的で、リアル。リアルだから、心を動かす。 「達成をどうやって判定するのか?」の答えも、これ以上ないほど明確だ。
上の記事で目標は抽象的でも良いと思うと言ったが、完全に明確にすることに意味があるのかもしれないと思わされた。
5年後、自分が目指すべき目標(ミッションステートメント)を具体的でかつ魅力的に考え直す必要がありそうだ。 こうすることで判断に迷わなくなるのだろう。
第11章 拒否 ---断固として上手に断る
他人からのプレッシャーに負けず、きっぱりと上手に断ることは、エッセンシャル思考の必須スキルである。 と同時に、もっとも難しいスキルでもある。 断るためには、勇気が必要だ。切り捨てる勇気がなければ、 「より少なく」という言葉は空疎なお題目になってしまう。 「重要なことだけに集中しろ」と言うのはたやすいが、それを本当に実践している人は多くない。 ノーを言うのは、誰だって不安だ。せっかくのチャンスを逃すのは怖いし、自分の立場がまずくなるのは困る。 尊敬する上司や大事な仲間を失望させたくない。 そう思うのは自然であり、何も悪いことではない。 だが、そういう気持ちに打ち克ってノーを言うことができなければ、それよりはるかに大切なものを失うことになってしまう。
なぜこんなことをやらねばならないのかと、相手を恨み、自分を責める。もっと重要な仕事が犠牲になったことに気づき、ショックを受ける。
相手を喜ばせるためだけに仕事を引き受けるな!重要なことをやるために、本質的でない依頼を断る。
これも自分には出来ていない。流されない。自分がイエスと言うことで何を失うのか考える。(トレードオフに目をむける)
単にノーと言うのが難しければ、上司にトレードオフを意識させよう。 たとえば、「はい、ではこの仕事を優先でやります。今抱えている仕事のうち、どれを後まわしにしましょうか?」。 あるいはこんなふうに断ってもいい。 「今かなり仕事を抱えているので、これを無理やり差し込むと品質が落ちてしまいます」
相手に不快な気持ちを与えないように、上手にノーと言うことが大切。
第12章 キャンセル ---過去の損失を切り捨てる
何も意味もないとわかっているプロジェクトに、時間やお金を費やし続けていないだろうか。 損切りができず、いつまでもダメな投資を続けていないだろうか。 サンクコストに囚われず、ダメな行動をすっぱりと切り捨てるのだ。 いつもやっているからという理由でそれをやめられない傾向を、「現状維持バイアス」と呼ぶ。 以前仕事を受けたある会社は、実に古くさい人事考課制度を使っていた。 いつから制度が変わっていないのだろうと疑問に思って訊いてみたが、誰ひとりその由来を知らない。 10 年前から働いている人事部長を含めてだ。 しかもその間、誰もその制度に疑問を抱かなかったらしい。 当たり前のようにそこにあるものを、人は無条件に受け入れがちだ。 このバイアスから自由になるために、ゼロベースというテクニックを使おう。 ゼロベースの考え方を、自分の仕事や生き方に当てはめてみよう。 たとえば、今の時間の使い方をいったん忘れて、何も予定のない状態にする。 そして、今日やるべきことをゼロから考えてみるのだ。 これはお金の使い方や人間関係など、あらゆることに応用できる。 まっさらな状態から、時間やお金やエネルギーの使い方をあらためて考えてみよう。 ただ惰性でつづけていることは、すぐにやめるべきだ。
途中でやめることは、そう簡単ではない。しかし、不本意なことをやり続けていても、誰のためにもならない。
きっぱりと「やめる」スキルを身につければ、人生はもっとシンプルになるはず。
第13章 編集 ---余剰を削り、本質を取り出す
仕事や生き方を編集するのは、映画や本を編集するよりも少々厄介だ。 時間を遡って自分のセリフを書き直すことは出来ないし、 終わった会議やプレゼンをなかったことにすることも出来ない。 それでも、編集の4原則を知っておけば、人生は今よりずっとクリアになる。 * 編集の4原則 * 1. 削除する 決断の本質は、選択肢を減らすことにある。 余分な選択肢を断ち切れば、すんなりと決断できる。 かなり魅力的な選択肢だとしても、混乱のもとになるものはすべて取り除いたほうがいい * 2. 凝縮する 念のために言っておくが、凝縮の目的は一度に多くをやることではない。 無駄を減らすことだ。より少ない言葉でアイデアを伝える。 より少ないスペースで快適な生活を実現する。より少ない努力で大きな成果を出す。 つまり人生を凝縮するということは、結果に対する行動の比率を減らすということだ。 そのためには、いくつもの無意味な行動をやめて、重要な行動ひとつに置き換えればいい。 ある企業で働いていた優秀な社員は、毎週のミーティングを必ず欠席し、 あとで話のポイントだけ聞いていた(高い評価を得ていたのでクビになるようなことはなかった)。 そうすることで、2時間のミーティングを 10 分に凝縮し、残りの時間をもっと重要な仕事に費やしたのだ。 * 3. 修正する 仕事や生き方でも、自分の本質的な目標を明確にしておけば、それに合わせて行動を修正できる。 自分の行動はきちんと本質目標に向かっているだろうか、と振り返ってみてほしい。 もしも間違った方向に進んでいたら、正しく編集し直せばいい。 * 4. 抑制する 抑制すべきところを知っておくと、人生はもっとうまくいく。 反射的に手を出すのをやめて、何もしないことを選ぶのだ。 たとえば、社内メールで議論が巻き起こっているとき、反射的に「全員に返信」ボタンを押さない。 ミーティングのとき、よけいな口出しをしない。 まずは立ち止まって、様子を見る。すると、全体の流れがクリアになる。 「より少なく」というエッセンシャル思考のやり方は、すぐれた編集術でもあるのだ。
うーーーーん、人生を編集する。まだ掴めていない。 本質的な目標が決まってくれば、わかってくるのかもしれない。
第14章 線引き ---境界を決めると自由になれる
「一度でも例外を許したら、その後は例外だらけになってしまいます」とクリステンセンは語る。 仕事の線引きは砂の壁のようなもので、一カ所が崩れると、ほかも一気に崩壊してしまうのだ。 非エッセンシャル思考の人は、線を引くのがあまり好きでないようだ。 境界線などなくしたほうが、バリバリ仕事ができると思っている。 「自分には限界なんてない、何だってこなせるし、全部片づけてやる」というわけだ。 だが、それは思い上がりである。あまり無理をしていると、忙しすぎて何ひとつまともに完成させられなくなってしまう。 一方、エッセンシャル思考の人は、境界線を上手に利用する。 一線を引くことで自分の時間を守り、他人からのよけいな干渉を防ぐのだ。 はっきりとした線引きがなければ、他人はどこまで踏み込んでいいかわからず、どんどん侵略してくる。 いちいち対応していたら、自分の大切なものが見えなくなってしまう。
「忙しさを理由にしているうちは良い仕事も回ってこないよ」by motoさん と言う意見もある。仕事をすることで、経験・信頼などが複利として今後効いてくる。
しかし、これは結果を出せたらと言う話になるので、やはり仕事は選んでいくのが良い気がする。 (経歴が浅いうちは仕事は選ぶことはかなり難しそう、交渉するのが良い!?)
第15章 バッファ ---最悪の事態を想定する
非エッセンシャル思考の人は、条件に恵まれたケースを前提として予定を立てようとする。 希望的観測に従って生きているのだ。「5分もあれば着くだろう」 「この作業なら金曜までに行けるんじゃないかな」「本気を出せば半年で完成するさ」 だが、ものごとはけっして思うように進まない。 思わぬトラブルに見舞われたり、予定より作業範囲が広かったり、そもそも見積もりが甘すぎたり。 あわてて対応するが、スケジュールはどんどん遅れていく。 結局、徹夜したあげくに完成度の低いものを提出するか、あるいは締切に遅れるか、それとも誰かに後始末を押しつけるか。 いずれにしても、思ったような結果は出せない。 だが、エッセンシャル思考の人は違う。思わぬことは起こるものだと知っているから、 あらかじめ何かが起こることを想定して予定を立てる。 万が一に備えてバッファをとり、予定外のことがあってもペースを取り戻せるようにしておくのだ。 理由はどうあれ、私たちは何をするのにも、当初の想定より遅れる傾向がある。 ミーティングには遅れるし、仕事の提出物は間に合わないし、支払期日は守れない。 実際より短く見積もってしまうせいで、不必要にストレスを感じ、周囲を困らせている。 この状態から脱け出す方法がある。自分が見積もった時間を、 つねに1・5倍に増やして締切を設定するのだ (1・5倍は多すぎると感じるかもしれないが、実際それだけかかることが多いのだから仕方ない)。 仕事の話し合いに1時間かかると思うなら、1時間半の枠をとっておく。 息子を習い事に送っていくのに 10 分かかると思うなら、 15 分前には家を出る。 こうしておけば、遅れそうになって焦ることもないし、思ったより早くできたときには (そんなことはめったにないが)余った時間がごほうびのように感じる。
まさにゴールデンウィークでここまでやろうと決めていたことが、全く終わらなかった。 普段の集合時間は余裕を持って行動出来ているのに、作業になると時間ギリギリまでやらなかったりしてしまう。
自分の作業がどれくらいの時間がかかるのか把握出来ていないのが問題な気がする。 最近は進捗管理しているので、見積もりと実績の差をフィードバックする必要がありそうだ。
第16章 削減 ---仕事を減らし、成果を増やす
仕事や日々の生活で、何があなたの進みを妨げているのだろうか。 冷静にボトルネックを特定して取り除くことができれば、 見違えるほどスムーズに重要なことを達成できるはずだ。 ただし、当てずっぽうに改善しようとしても意味がない。 とくに問題のないところをあちこち改善しても、効果は薄く、短期的だ。 まったく無意味ということもある。システム全体を改善するには ──製造システムにかぎらず、チームの業務プロセスでも日々の習慣でも── 全体の進捗を邪魔しているボトルネックの発見が鍵となるのだ。
どの努力が成果を生み、どの努力がそうでないかについて、私たちは注意を払うことを忘れがちだ。 あるいはそれを意識していても、やはり増やすことに気をとられて減らすことを考えない。 売上を伸ばすために営業人員を増やし、商品を良くするために開発者を増やすといった調子だ。 それでうまくいく場合もあるが、成果を改善するためには、逆から考えることも必要だ。 エッセンシャル思考の場合、人やお金や時間を増やすかわりに、制約や障害を取り除くことを考える。
「この仕事をやりとげる上で、邪魔になるものは何か?」を考える。漫画とかスマホが自分に該当するだろう。 これを取り除くように仕組み化するのが必要。ご飯食べたらスマホはリビングに置いて作業するなど...
第17章 前進 ---小さな一歩を積み重ねる
変化を起こそうとするとき、私たちは派手な目標を掲げがちだ。 私の知り合いも、娘たちのために完璧なおもちゃの家を建てようと意気込んでいたが、 やってみると計画が壮大すぎて途中でくじけてしまった。 最初から「すごいことをやろう」などと思うからそうなるのだ。 仕事でも、鼻息ばかり荒い企画はそのまま企画倒れになるケースが多い。 心理学の研究によると、人間のモチベーションに対してもっとも効果的なのは「前に進んでいる」という感覚である。 小さくても前進しているという手応えがあれば、未来の成功を信じられる。 そのまま進みつづけようという力になる。
「職場において感情・モチベーション・認知を高める諸要素のなかで、もっとも重要なのは、進歩しているという手応えである」 と彼らは言う。最初から高望みをして途中で挫折したら、何も残らない。 少しずつでもいいから結果を出し、地道な成功を積み重ねたほうがずっと生産的だ。 成功は次の成功を生み、やがてそれらは飛躍的な達成へとつながっていく。
人や組織が大きな進歩を望むなら、日々何度も繰り返す小さな行動にこそ着目すべき。小さな改善を地道に繰り返すことが大きな変化につながる。
ゴールに近づく様子が目に見えるように出来ると尚良い。そう言う意味では、目標スプレッドシートは良いかもしれない。
第18章 習慣 ---本質的な行動を無意識化する
非エッセンシャル思考の人は、いざとなったら本気を出そうと考えている。 土壇場になってから、無理やり全力で終わらせる。 だがエッセンシャル思考の人は、そうではない。 重要なことをやりとげるために、日頃からの習慣にする。 正しい習慣をつづけていれば、偉大な結果は自然とついてくるのだ。
日々の判断の4割は無意識下でおこなわれている。 意識的に考える前に答えを出すということだ。これには良い面と悪い面がある。 良い面を見れば、面倒な思考プロセスを飛ばして直感的に有意義な行動ができるというメリットがある。 だが逆に、非生産的な行動が無意識に刷り込まれてしまう危険もある。 朝起きるとすぐにメールチェックをしてしまったり、なぜか仕事の帰りに甘いものを食べてしまったり、 食事をしながら会話もせずにインターネットを見てしまったり。 やめようと思っても、ついついやってしまう悪い癖だ。
習慣を変えることは、簡単なことではない。しかし、一旦習慣が確立すれば、今後は何の苦労もなくそのメリットを享受し続けられる。
早起きだったり、夜の振り返りだったり、エッセンシャル思考も習慣にできる。 身につけない手はない。
第19章 集中 ---「今、何が重要か」を考える
問題は、人は一度にひとつのことにしか「集中」できないということだ。 複数のことをやるのはかまわない。しかし集中の対象がどれなのかは、はっきりさせておく必要がある。 エッセンシャル思考の敵はマルチタスクではなく、焦点を複数に合わせようとすること、 すなわちマルチフォーカスなのだ。
やることが多すぎて何から手をつけていいかわからなくなったら、 まずは考えるのをやめて、深呼吸をすることだ。 心を落ちつけて、今この瞬間に何が重要かを考えよう。 明日のことや、1時間後のことは忘れていい。今だけを見るのだ。 それでも何から手をつけるかわからないなら、やるべきことをリストアップしたあと、 今すぐやること以外はすべて線を引いて消してしまおう。
マルチタスクが上手い人も実は、集中するタスクを一つに決めるシングルタスクを複数回行っている。 こうすることでマルチタスクをしているように見える。
「今、ここ」を意識することで、パフォーマンスは何倍にもなる。 最近サボりがちな、瞑想はとても効果的だ。習慣化させよう。
第20章 未来 ---エッシェンシャル思考を生きる
明確な目的意識を持って成功へと突き進むが、成功するとチャンスや選択肢が増え、 結局自分の方向性を見失ってしまう。 多方面に手を出したあげく、すべて中途半端になって、何もまともに達成できない。 単に成功をめざしてもうまくいかないのは、そのせいだ。 そこから脱け出すためには、エッセンシャル思考であるしかない。
エッセンシャル思考の目的は、世間的な成功を手に入れることではない。 人生に意味と目的を見いだし、本当に重要なことを成しとげることだ。 将来自分の人生を振り返ったとき、どこにでもありそうな達成リストが並んでいるよりは、 自分にとって本当に意味のあることをひとつ達成したと確信できるほうがいい。
エッセンシャル思考のメリット
- 迷わない
- 流されない
- 日々が楽しくなる
エッセンシャル思考を生きることは、後悔なく生きることだ。 本当に大切なことを見極め、そこに最大限の時間とエネルギーを注げば、 後悔の入り込む余地はなくなる。自分の選択を心から誇りに思える。 豊かで意味のある人生を選ぶか、それとも苦痛と後悔に満ちた人生に甘んじるか。 この本を読んでくれたあなたには、ぜひ前者を選びとってほしい。 人生の分かれ道に直面したら、自分にこう問いかけてほしい。 「本当に重要なのは何か?」 それ以外のことは、全部捨てていい。
今までは他の技術がどういう感じなのか知るために色々手を出していた。 しかし、今年の夏には配属が決まり目指すべき道が固まる。(配属先が目指す道なのかから考え直す必要がありそうだが...)
「本当に重要なのは何か?」を問い続けていきたい。
最終章 エッセンシャル思考のリーダーシップ
チームのパフォーマンスは目的の明確さに大きく左右されることがわかった。 目的が明確であれば、チームのメンバーは予想以上の力を発揮してくれる。 一方、チームの目的や個々の役割が明確でない場合、チームは混乱し、 ストレスとフラストレーションがたまり、結果は失敗に終わる。 ある会社の副社長は、「明確さがすなわち成功なのです」と言っていた。 「より少なく、しかしより良く」がチーム運営にとって重要であることは明らかだ。
自分だけに留まらず、周りの業務やチームにも「より少なく、しかしより良く」を適用出来る。
エッセンシャル思考を実践するために必要なことは「目的を完全に明確にする」ことだろう。 そしてメンバーの役割をも明確にし、小さな進歩を重ねていくことだ。
最後に
「より少なく、しかしより良く」つまりシンプルであることこそがエッセンシャル思考である。
今は非エッセンシャル思考に当てはまることが多いが、毎日少しずつ実践している。継続していきたい。
自分にかなり良い本であった。若いうちに読めたことに感謝。